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BIOTOPとは?
ビオトープ管理士とは?

 「ビオトープ管理士」は、自然と伝統が共存した美しく強靱な地域の創造を目指す技術者、端的に言えば、自然の保全・再生を任すことが出来る技術者です。

 その名に冠するビオトープ[BIOTOP]とは、生きもの[BIO]と場所[TOP]から成る言葉(ドイツ語)で、地域の野生の生きものたちが生息・生育する空間を指しています。

トップページ 先輩ビオトープ管理士のみなさんの声 へのリンク つまりビオトープ管理士に期待されるところは、このビオトープをいかに増やしていくのかということであり、かつ、それをまちづくりなどの広域的な視点から効果的に行うこと、となります。

 また近年では、その持てる豊富な知識や技術をもって、環境教育の指導者としての役割も期待されており、現にさまざまな方面で活躍しています。

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環境問題の本質と
ビオトープ管理士の立ち位置

 自然を守るためのアプローチにはいろいろとありますが、なぜこのビオトープに着目するのかご存知ですか? そのことを理解するため環境問題の内容を整理してみると、本質は大きく2つにまとめることが出来ます。

環境問題の本質は2つ

[1] ヒトの営みから生じた不要物によるゴミの問題
[2] 野生生物が絶滅する問題(健全な自然生態系の破壊)

 

 [1]には、いわゆる生活ごみや廃棄物の問題はもちろんのこと、水や大気の汚染、目には見えないCO2や熱などの排出の問題、その延長にある気候変動(地球温暖化)への対応やリサイクル活動などが含まれます。人為由来のPM2.5や原発由来の放射能も、もちろんゴミの問題です。

 一方の[2]には、野生生物の直接的な殺傷・乱獲・密猟(漁)や、外来種による在来種への影響、生息地・生育地の破壊などがあり、名古屋で開催された生物多様性条約の締約国会議や小笠原諸島の世界遺産(自然遺産)への登録などを経て、ようやく注目されてきたところです。

 

 環境問題の解決とはこれら2つの本質を解決することに他ならず、「持続可能な社会」はこれらを解決することで実現することが出来ます。私たち人類の生存は年間33兆ドルとも試算される膨大な「生態系サービス」(自然のめぐみ)に支えられていることが分かっていますが、その生態系サービスは、健全な自然生態系、健全な生物多様性があってはじめてもたらされるものです。また、人類がこの先も健康で文化的、生産的な生活を続けていくためには、将来世代に対し、この生態系サービスを生み出す健全な自然生態系、健全な生物多様性と、それを取り巻く良好な環境を手渡していくことが必要となります(想像しにくければ、百年先や孫の世代のことを想えば理解出来ると思います)。持続可能な社会とは、生態系サービスを生み出す自然資源を末永く持続させ、それにより人類の存在を遠い将来まで持続することの出来る社会であり、環境問題を解決しなければならない理由や自然を守る意味はこれに尽きるのです。 

 しかし、そのようなことを踏まえていない“エコ的な”取り組みが多いように思われます。そのためか、1992年の地球サミット以来、環境問題は世界に共通で最大の課題とされているにもかかわらず、解決に向かうどころか全体として悪化する一方です。特に日本の状況はひどく、世界から遅れをとっています。

しぜんのしくみを表した生態系ピラミッドの図と、持続可能な社会のかたちを表した図

 ところで、先の環境問題の本質のうち、「野生生物が絶滅する問題」の最大の原因は生息地・生育地の破壊、つまりビオトープの破壊であると言われています。ある野生生物に注目したとき、その生物が生きていくための場所、休眠や採食、繁殖、避難などを行う場所であるビオトープが必要ですが、その餌となる生物にもやはりビオトープが必要で、さらにその餌となる生物にもビオトープが必要です。行き着くところ、自然生態系をまるごと、要するに土地と空間を守らなければ自然は守ることが出来ないのであり、ビオトープ管理士はここに着目したものです。 

 しかし、“守る”とは言ってもわが国の自然地はもうそれほど多くはありません。都市部においてはより深刻なため、残された貴重な自然地を守りつつも、現実的にはビオトープを再生し自然地を増やすこと、そしてネットワークさせていく作業がメインとなります。ビオトープを守り再生することで、自然生態系、生物多様性を可能な限り健全な状態に戻していくことが出来れば、持続可能な社会が実現出来るのです。 

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イメージ写真 アメリカ、ニューヨーク州イサカのエコビレッジ。ビオトープを計画的に保全、創出し、人と人の距離も近い、自然と共存する美しいまちを実現している。

「ビオトープ管理士」創設の背景と趣旨

 そのような物事の本質に気付いた環境先進国、ドイツやアメリカなどでは法の整備も早くからなされ、ビオトープの保全事業、再生事業が政策として積極的に取り組まれてきました。一方、高度経済成長を経てバブル経済に浮かれていたわが国は、残念ながら世界の動きに付いていけてはいません。経済が優先され自然破壊が拡大したことはご存知のとおりのためここでは割愛しますが、それでも1990年代の半ば頃より状況が変わり始めました。

 当時、旧建設省による多自然型川づくりが推進され、河川法の改正に向けた動きなどもあったなか、手本として盛んに紹介されていたのはドイツの事例、いわゆるビオトープ事業でした。しかし、その根底にあるビオトープという概念はほとんど知られていません。そして問題は、ビオトープ事業の担い手となる技術者の養成と質の向上でした。

 イメージ写真 スウェーデンの自然豊かなまちなみ。自然と共存するまちづくりや森づくり、海づくりが、国家プロジェクトとして展開されている。

 それというのも、ビオトープ事業としての目的を達成するためには従来の土地利用計画や土木、造園の施工技術に加え、生態学的な知識やビオトープの概念、ビオトープの評価能力、応用力、さらにそれらを活かすために関係する法制度の知識まで身に付けている必要があるからです。自然のための取り組みのはずなのにかえって自然を破壊してしまうという誤った認識による事故、無知による事故は現在でも散見されますが、当時であればなおのことだったのでしょう。

 また別の角度から見れば、いわゆる公共事業が行われる場にビオトープの概念を導入出来るのであれば、保全や再生をより効率良く押し進められる可能性もあります(公共の財産である自然を保全・再生することは本来、それ自体を目的化して公共事業に位置付け、積極的に取り組むべきですが)。

 イメージ写真 在来の野草を植えて再生された、アメリカはシカゴ郊外の草原。グリーンインフラという概念のもと、自然再生事業、ビオトープ事業は、世界ではスタンダードになっている。

 そこで、環境NGOのセンター的な役割を担っていた日本生態系協会により「ビオトープ管理士」の資格制度が創設され、ビオトープ事業の担い手を発掘、育成することとなりました。これは、事業の発注サイド、受注サイド、その間に立つ市民やNGOなど、自然のことを想うあらゆるステークホルダーに望まれ、その理解・協力により実現したものです。

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資格の活用例のダウロード

社会におけるビオトープ管理士への期待

 しばしば「弁護士よりも難しいのでは」などと笑い話にもされていたビオトープ管理士ですが、それだけに、有資格者には厚い信頼をいただいています。

 たとえば、環境省や国土交通省、農林水産省などの中央省庁、各地の地方自治体や公益団体などでは業務の入札条件や技術者の評価対象として採用されており、近年は1級のビオトープ管理士でなければ出来ない専門性の高いビオトープ事業も増えつつああります。また、いわゆる事業的なもののほか、他社や他団体との差別化、生物多様性の方面への特化、社員・職員のキャリアアップなどを目的として、社を挙げて受験される例も多く見られます。

 イメージ写真 日本ビオトープ管理士会の研修会のようす

 少なくとも、自然や環境、そのなかでも生物多様性の分野はこれより先、何も対策を行わないという選択肢はあり得ないのであり、むしろさらなる展開が期待されています。2012年に閣議決定された『生物多様性国家戦略2012〜2020』では、百年先の国土の在り方を見据えつつ、『愛知目標』の達成に向けた行程と具体的な施策が示されるところとなりました。生物多様性が最も重要な社会資本であるという認識を社会に浸透させ、地域における人と自然の関係を再構築し、かつ、国際的な振る舞いも求められる。そのような、もはや気分やパフォーマンスでは済まされない、世界中が手を取り合って真剣に取り組まなければならない“環境の時代”に、わが国はすでに足を踏み入れているのです。

 

 そしてビオトープ管理士にはもう一つ、大切な役割があります。自然と対決する従来型の“防災”とは異なる、自然と共存しつつ自然を利用する“減災”を念頭においたまちづくり・くにづくりを行うことです。

 私たちが自然から受け取る生態系サービスのなかには、資源や癒やし、レクリエーションといったものだけではなく、自然災害からの防護、災害を減らすという効果も含まれます。国連環境計画(UNEP)では災害対策として自然を保全・再生することの有用性を訴えており、事実、災害からの復興にあたり、より安全で安心なまちをつくるための装置として自然地=ビオトープを活用する例が世界には数多くあります。スマトラ島沖地震に因る津波では、自生のマングローブ林が被害を顕著に減らしたことが判明し、減災面での自然の保全・再生の重要性が裏付けられました。それをもとに、壊滅的な被害を受けたバンダ・アチェ(インドネシア)でも、災害は防ぎきれないものだという事実を受け入れ、コンクリートよりも強い自然の森の再生が行われています。

 誰もが安心して暮らすことの出来る、自然があふれる美しくて強靱な日本をつくること、これもビオトープ管理士の使命であり、また、決して不可能なことではありません。やる気と能力のある人材はいるのであって、あとはやるのかやらないのか、それだけのことなのです。

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冊子 ビオトープ管理士ってこんな人たち のダウンロード 
 
 
 
 

 以上は、日本建設機械施工協会刊『建設の施工企画』2013年5月号の記事「『ビオトープ管理士』創設の背景と期待される役割」より抜粋、再構築した冊子『ビオトープ管理士ってこんな人たち』(日本ビオトープ管理士会 刊)P28〜30を転載しました。なお、時間の表現などについては、現在に合わせて修正しています。

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